埼玉県、越谷市は多くの先人の方々のご尽力もあり、これまで「ベッドタウン」として成長してきました。その成長の恩恵を受け、私たちは育ち、また子どもを育てています。
今、国全体が人口減少時代を迎え、少子高齢化社会はますます進んでいます。これらの社会構造の変化によって埼玉県、越谷市の「ベッドタウン」としての成長に限りが見えてきました。
成長から安定へ。今を生きる私たち、これからを生きる子どもたちのために、そしてここまで埼玉県、越谷市をつくってきた多くの方々のためにも、これからも埼玉県、越谷市が10年、50年先につながる街として残すために、新たな試みが必要となってきます。
埼玉県、越谷市が県民、市民の皆さんの思い描く街となるために、「誇りと自信」を持って語れる街、「ホームタウン」になるために、社会の変化をチャンスとして活かした街づくりを共に考えていきましょう。
ぜひ、多くの皆さんのご意見、お考えを集めていただき、これからの埼玉県、越谷市を地域の力で「ホームタウン」として発展させていきましょう。
重点施策 郷土・埼玉、越谷での子育て支援の拡充
県民、子ども達の目線で、子育て支援の仕組みを強化します。安心して、子どもを産み、育て、生活できる街を地域の力で目指していきましょう。
出産・子育て
- 産前・産後ケアの充実
- 家庭的・小規模保育の推進
- 待機児童数減少へ向けた民間等と連携した保育に関する量的拡大
- 利用ニーズに沿った保育サービスの実施及び品質向上
- 放課後児童クラブ(学童保育)の充実・支援の推進
- 虐待予防の防止と早期発見強化
暮らし
- 地域ぐるみの防犯体制・交通安全の強化
- 子どもなどの災害時要援護者などに配慮した防災のまちづくり
- 専業主婦への心理面での支援充実・活躍フィールドの創造の推進
教育・医療
- いじめや虐待、体罰防止のため関連機関の連携強化
- 病児・病後児対策の強化
- 難病を含めた小児科医療、高度周産期医療の量的、質的拡充
ホームタウンビジョン
【1】日常生活の安全・安心がある街・地域
埼玉県、越谷市の魅力を高めるために、広域的、長期的な視点に立ち、行政だけでなく地域の力を活かし、子育て、子ども達の目線を中心に防犯、防災、医療、介護、交通等の安全・安心に関わる分野の体制づくり、地域の取り組みを支援、強化し、安心して住める街・地域の価値を高めます。
【1】日常生活の安全・安心がある街・地域
埼玉県、越谷市の魅力を高めるために、広域的、長期的な視点に立ち、行政だけでなく地域の力を活かし、子育て、子ども達の目線を中心に防犯、防災、医療、介護、交通等の安全・安心に関わる分野の体制づくり、地域の取り組みを支援、強化し、安心して住める街・地域の価値を高めます。
1. 安心に過ごすことができる防犯の地域づくり
現状
現状は、越谷市の犯罪率が県内4位と上位に位置しています。越谷警察署管内の認知件数のうち、26年度で3349件です。その内訳は、自転車盗が975件でトップ、次に侵入盗難が287件、車上狙いが192件という順になっています。25年度は3581件であり、26年度は前年度と比較して232件減少しています。
少年犯罪に限定すると、刑法犯少年(犯罪少年)の検挙人員は161人と市部で4位であり、県内でも上位に位置します。しかし、人口比で見ると、少年人口1000人あたり8.4人と18位に位置しています。課題は、犯罪が多いこと、日常生活上に体感不安が存在することです。
目指すべき姿
・市民が犯罪などの被害に遭遇しない、被害を受けない。
・市民が安全に過ごすことができる。
市民が得られるメリット
・市民が不安を持たなくて過ごせる。
・夜間の外出時に、周りに注意を払う回数が減る。
・越谷市のイメージ・印象が改善する。
具体的に行う施策・事業
◇地域コミュニティを核とした防犯のまちづくりの推進
・地域コミュニティを中心とした防犯・交通安全のまちづくりを進めます。
・防犯カメラの設置や防犯灯などなど防犯関連の設備設置を推進します。
・犯罪多発地帯については地域と一体化した対策を検討します。
・犯罪の特性分析・要因分析、ケーススタディによる防止策の開発などを推進します。明らかになった特徴・傾向を市役所、防犯協会、住民と共有し方策を考えていきます。
・重点時期、重点地区への取り締まり強化を県警に要請します。
・犯罪発生場所を共有できる地図などを住民が共有できす仕組みを検討します。
・体感不安を低下させるために、住民へのわかりやすい情報提供を進めます。◇子ども関連の防犯施策
子どもに対して、紙芝居・ガイドブックなどを利活用した防犯について知識の普及を図ります。
地域内での安全マップなど作成し、危険箇所などの周知を図ります。◇振り込め詐欺・悪質商法への対応
各種の啓発活動を積極的に行うことで、振り込め詐欺・悪質商標への対応策、啓発を促進します。
若年層のドラッグ使用がどういった影響を人体に与えるのかを伝え、理解してもらう子供への啓発を推進します。
インターネット上の悪質な商品販売についての取り締まりを強化します。2. 自助・共助・公助を柱とした防災の仕組みづくり
(1)現状
自主防災組織の組織率が84.5%と県内40位と下位に位置しています。出火率は2.83件/万人と少なく、県内でも50位です。市内には、土砂災害危険箇所および土砂災害警戒区域等は存在しません。25年には竜巻が発生し、被害がありました。今後は、県内で多発するゲリラ豪雨や竜巻などの災害への対策が求められます。
地震発生時には、綾瀬川などの河川沿いは大きな揺れが発生した場合、建物が1階部分からつぶれる可能性があります。また、東部・西部は昔、海、池沼だったたことで液状化現象を起しやすく地割れを起こす可能性があります。
市としては、災害時要援護者の登録の開始、新越谷駅・南越谷駅帰宅困難者対策訓練を実施しています。今後は、防災活動に市民の参加・参画率への向上、帰宅難民対策への充実が求められます。(2)目指すべき姿
市民が災害にあわない。
もし災害に被災してしまった場合、最小限に軽減される。早期に現状回復する。(3)市民が得られるメリット
災害発生時に、身体、財産が守られる。(4)具体的に行う施策・事業
◇自助・共助・公助を柱とした減災対策の推進
・防災学習を市全体で行うことで、防災知識の普及を図ります。
・自主防災会・消防団の活性化を図ります。
◇災害弱者に配慮した避難体制の整備促進
・子供や女性等の災害時要援護者の視点を活かした避難体制を整備します。
・シェイクアウト型(一斉型)防災訓練を市内全域で広めます。
・竜巻・ゲリラ豪雨の危険性や注意点など、認知をしてもらうための取り組みを広めます。
◇県・市が一体となった被災後の復興促進
・関係機関との連携及び県との調整を行い、相互に事業を実施することが適当と認められるものについては総合的な復旧・復興事業の推進を図ります。
・被災地の状況、被害原因等を勘案し、再度災害の防止及び復旧事業の効果等具体的に検討のうえ事業期間の短縮に努めます。
・災害復旧事業に要する費用について、復旧事業の計画を速やかに作成し、復旧事業費の申請額の算出を行うとともに、決定を受けるための査定計画をたて、速やかに査定を行います。3. 安心して子育てができる地域づくり
(1)現状
越谷市内において、現在、通常の保育事業を市内33ヶ所(平成25年度実績)で行っています。平成21年度末で3歳未満児931人、3歳以上児1,978人でしたが、平成25年実績値はそれぞれ、1,219人、2,389人と増加しています。この伸び率は、市が想定している計画値より上回っています。
また、延長保育の利用者数は、平成21年度と平成25年度と比較すると、 720名(1.2倍)になっています。一時預かり事業も同様に140名(1.6倍)と増加傾向にあります。現在は、越谷市としては、保育所・保育園の定員拡/整備女性及び学童保育室の整備により受入枠を順次拡大していますが、今後も拡大が必要です。
また、市民の共働き世帯の増加など、ライフスタイルの多様化が想定されます。そのため、課題としては、市民の多様なライフスタイルに沿った保育事業の強化および保育事業に関係する市民への相談機能などのきめ細やかな支援が必要になります。(2)目指すべき姿
市民のライフスタイルにあった子育てができる。(3)市民が得られるメリット
・様々なニーズに沿った子育てができる。
・具体的に行う施策・事業◇ 安心した出産ができる仕組みの充実
① 不妊症等への対応を強化します
② 産前・産後ケア施策を充実します。◇ 民間と連携した保育所の幅広い整備・支援の推進
① 家庭的・小規模保育事業の推進
② 品質を保証した上での民間を中心とした保育所による保育サービスの量的拡大を図ります。
③ 利用ニーズに沿った保育サービスの実施及び品質向上を進めます。
④ 子ども子育て新制度への円滑な移行を促進します。
⑤ 虐待予防の防止と早期発見のための仕組みづくりを進めます。◇ 放課後児童クラブ(学童保育)の充実・支援の推進
① 学童保育のニーズに沿った幅広いサービスを検討・実施します。
② NPOなどと連携したサービス提供の検討・実施をします。◇ 専業主婦への心理面での支援充実・活躍フィールドの創造の推進
① 専業主婦向けの幅広い相談事業を充実します。
② テレワークなどの多様な就労スタイルを検討・促進します。4.どこにいても適切に医療をうけることができる地域づくり
(1)現状
人口10万人当たり病床数、病院については959病床と県内28位、診療所では61病床と県内21位となっています。
人口10万人あたり施設数は、一般診療所数が28.48と全国平均の68.33と比較して低いです。診療科目別に見ると、内科については全国平均と比較して低いです。人口10万人あたりの医師数や看護師数では、医師数は全国平均と同程度ですが、看護師数は全国平均を下回っています。また、第6次埼玉県地域保健医療計画において、埼玉県が最も優先する医療機能として挙げている「周産期医療」、「救急医療」、「小児救急」は、喫緊の医療課題として、医療体制の整備・充実を進めるとしています。越谷市では、平成25年4月に庁内プロジェクトチームを発足させて、各種機関との連携を進めています。今後はより一層の連携・推進が必要です。(2)目指すべき姿
・市民は自分の体の状態を把握することができる。
・市民は病気にならないように、健康を心がける。
・病気になった時に、身近に医療機関がみつからないということがない。
・病気になった時に、手間がかからず、スムーズに医療行為を受けられる。(3)具体的に行う施策・事業
◇医師不足への積極的な対応
・医師不足に対する原因を分析し、今後の展望を予測し、条項を踏まえた対策をとります。特に内科、外科、小児科、耳鼻咽喉科系など全国平均の数値を下回っている診療科目に対しては、市内での開業促進のためのインセンティブを検討します。
◇広域での医療連携の推進
・広域での医療連携をより一層推進していきます。一次、二次医療圏全体での連携を進めていきます。また、連携を進めるための情報環境などの整備を促進します。
◇医療を通じた安心した子育て環境づくり
・病児・病後児対策の強化を強化します。
・難病を含めた小児科医療、高度周産期医療の量的、質的拡充を進めます。5.安心した介護をうけることができる地域づくり
(1)現状
高齢者の割合は、越谷市は21.2%と県内でも49位と下位に位置しています。高齢者世帯の割合は、33.6%と県内47位と下位に位置しています。要介護(要支援)認定率は11.0%と県内で60位と下位に位置しています。
高齢者の徘徊・単身高齢者の見守り体制、高齢者の生きがいづくりが課題です。(2)目指すべき姿
高齢者が必要な介護サービスを受けられる。(3)具体的に行う施策・事業
◇孤独死などへの見守りなどの積極的な対応
① 単身高齢者に対する孤独死対策を推進し、見守り体制を構築します。
◇地域包括ケアなど介護・福祉などが一体となった介護体制の強化
① それぞれの方の介護の特性に沿った、各種団体等が連携した介護体制の強化6. 安心して、移動することができる交通安全・道路づくり
(1)現状
交通事故(人身事故)発生率は、県内18位です。平成22年度の人口10万人あたりの死者数は2.17人と埼玉県平均の2.78(全国平均3.81人)よりも少ない人数となっています。
市内の主体別発生状況(18年~22年)では、高齢者が増加傾向にあります。また、自転車での事故が増加傾向にあります。過去5年間の人身事故が発生する時間では夕暮れ時の 16 時~18 時が最も多く、次に 8 時~10 時、18 時~20 時の順になっています。人身事故の原因としては、脇見等の原因が一番多く、次に一時不停止となっており、この2つの原因で全体の約75%を占めています。
課題は、交通事故が多いこと、高齢者や自転車の事故が増加していることです。
道路は平成123年3月現在、都市計画道路は81路線、総延長約112km、整備済み61%、事業中10.7%で、整備を進めています。
越谷市の道路改良事業の指標「主要な生活道路の舗装改良率」は25年度末で42.8%と27年度の目標である33.6%をすでに達成しています。
越谷市の道路施設維持管理事業の指標「道路の整備が良くなってきたと感じる市民の割合」はは25年度末で9.2%と、27年度での目標15.4%の達成の進捗率は低いです(評価はD:目標値の60%未満)。レイクタウンでは、東埼玉道路をはじめとした周辺道路の渋滞が慢性的に発生しています。
課題は、市民の実感と実際の事業の進行度合との間にギャップがあることで す。
公共交通については、交通不便地域への新設や延伸要望路線をバス事業者と連携して整備を進めている。越谷市の公共交通(バス等)事業の指標「バスの路線数」は25年度末で35路線と、27年度での目標40路線の達成の進捗率は低いです(評価はD:目標値の60%未満)。
新方地区で乗り合いバスの実証実験を26年9月から開始しています。平成24年度末ノンステップバス導入化率は68%になります。
課題は、市内には新方地区のほか、北越谷駅の西側エリアなど複数の地区で交通機関が使えない「空白地帯」解消が進まないことです。(2)目指すべき姿
・市民が交通事故に遭遇しない、被害を受けない。
・市民が移動したい時に移動する手段を持っている。
・市民が移動したい場所にスムーズに移動することができる。(3)市民が得られるメリット
・安全に移動できる。事故に合わない。
・市民が余計な時間を持たなくて過ごせる。
・市民が移動手段を確保できる。
・市民が移動時に負担がかからない。(4)具体的に行う施策・事業
◇地域コミュニティを中心とした交通安全対策
・地域コミュニティを中心とした安全安心のまちづくりを進めます。
・自転車のマナー向上のための指導及び取締りの更なる強化を進めます。
・高齢者や自転車運転者向けの交通安全講習を積極的に進めます。
◇円滑な移動を可能にする自動車対策
・ラウンドアバウト交差点の導入を促進します。
・地元自治体からの要望に応え信号機や横断歩道の大幅増設に向けた予算の増額を推進します。
・自転車事故での死亡事故防止へ向けた各種設備の導入を支援します。
◇県民が使いやすい公共交通対策
・公共交通機関の「空白地帯」解消のための実証実験、コミュニティバスや乗合タクシー等の試験運行の実施などを推進します。
【2】健康でいきいきと過ごせる街・地域
活力ある埼玉県、越谷市のために、子どもの頃からスポーツに親しみ、健康に関心を持てるよう、環境、情報の充実を図り、スポーツを通じて交流ができる等、健康に生きることの楽しみや喜びを地域の活性化につなげます。
1. 生活習慣に配慮し、運動などを通じ、健康な生活を送ることができる地域づくり
(1)現状
平均寿命については、男性は79.7歳、女性は85.5歳とそれぞれ県内22位、46位となっています。65歳健康寿命、男性は16.9歳、女性は19.9歳とそれぞれ県内26位、28位となっています。
健康に取り組んでいる状態を示す指標では、「週1回以上スポーツをしている人の割合」が平成24年度で60.6%と平成13年度の29.6%から倍増しています。スポーツをする市民が増加しました。「歩くことを心がけている人の割合」は24年度で49.4%となっています。「1 日の平均歩行時間(30 分以上)」は24年度で72.3%となっています。
越谷市の健康づくり推進事業の指標「健康教室の参加延べ人数」は27年度の目標を25年度の段階で超えています。各種教室・講座開催活動の指標も27年度の目標達成が可能です。具体的な生涯スポーツとしてはウォーキング、軽い体操、プールを利用した運動、室内運動器具を行って行う運動が上位にあげられます。また、場所としては、自宅・空き地・道路、公園・緑地・広場、民間のスポーツ施設、公共のスポーツ施設が想定できます。
昨今、各種スポーツ施設の整備が進んだことから、参加率は上昇傾向にありますが、健康寿命そのものは、それほど高いものでありません。課題としては、健康寿命の向上へ向けた持続的な活動の推進及び、支援策が必要です。(2)目指すべき姿
・市民にとってスポーツをすることが習慣になる。
・自分にあったスポーツを楽しめる。
・スポーツから遠ざかっている市民は取り組みを開始する。
・市民がスポーツを楽しめ、スポーツを通して他人とコミュニケーションを深め、交流することができる。(3)市民にもたらされるメリット
・市民がスポーツを通して健康維持ができる、健康増進する。
・スポーツをすることによって気分がリフレッシュできる。
・生きていく上で健康に暮らせる。(4)事業
◇生活習慣に配慮し、運動などを通じ、健康な生活をおくることができる地域づくり
① 各種団体・サークル等と連携した生活習慣病予防を積極的に促進します。
②毎日一万歩運動など日常の中に運動を取り入れるような運動を推進します。
◇様々なスポーツ・レクリエーションへの参加促進につながる幅広い環境整備の促進
① 幅広い市民スポーツ・レクリエーション活動を積極的に推進します。
② スポーツ・レクリエーション参加を促進する情報環境の整備を促進します。
【3】チャンスが活かせる街・地域
成長力のある埼玉県、越谷市のために、県と市が連携、協力し、地域力を活かした工業団地の拡充、創業支援や新たな可能性のある産業誘致を進めます。また、市民の様々な活動、取り組みと連携して地域ブランドの浸透、販路拡大を進め、地域発展への期待を高めます。
1. 既存工業団地の拡充・付加価値の高い産業づくりの推進
(1)現状
越谷市では工場が市内全域に分散して立地しており、そのうち市街化区域内の準工業地域に立地している工場はわずかであり、多くは住宅地や市街化調整区域に立地しています。工業団地として越谷増森工業団地(3.7ha,14 社)、越谷平方工業団地(2.8ha,3 社)を抱えています。
事業所の85%は、29人以下の小規模な事業所となっており、業種別では金属製品製造業、プラスチック製品製造業、一般機械器具製造業などの立地が目立ちます。
県は企業誘致の取組として平成17年以降、「企業誘致大作戦」、「チャンスメーカー埼玉戦略」、「チャンスメーカー埼玉戦略Ⅱ」、「チャンスメーカー埼玉戦略Ⅲ」を展開しています。
各市町村においても県・市町村企業誘致連絡会議に参加し、「埼玉県圏央道・外環道地域産業活性化基本計画」のもと積極的に取り組んでいます。計画では、自動車関連産業、食品産業、流通加工業などが集積業種として指定されています。
課題は、第一に、東京都に近接しており地価が高く、住居が多いため、まとまった産業用地を確保することが難しいことです。市内の工業用地確保と住工混在が市外流出の要因ともなっています。第二に工場誘致が進んでいないことです。越谷市の工業系土地利用事業では、「工業団地等の整備に着手した数」が指標に設定され、27年度目標が1となっていますが、25年度の段階で数字は0と進んでいません。地域振興については県の東部地域振興センターが地域振興の取り組みを進めています。越谷市では商工会を中心に、地域特産のねぎなどの野菜、果物、お菓子、さらに、人形・せんべい・桐箱・達磨など伝統工芸などを活用したブランドづくりを進めています。
越谷市特別住民であり、こしがやブランド認定品「こしがや鴨ネギ鍋」のイメージキャラクターである「ガーヤちゃん」も認知度を上げています。また、「越谷ナンバー」の交付が開始されました。
平成27年度から越谷市は中核市に移行し、市の保健所の開設、食品営業の許可・監視指導・検査、産業廃棄物処理や保育所や特養設置の認可などの権限が越谷市に移譲されました。その他、福祉・環境・保健衛生分野の事務と許可・認可の権限が市に移りました。
地域振興の課題としては、ブランド認定品の認知度があるものの、販路が拡大しないことです。(2)目指すべき姿
企業が越谷市内に誘致できる。
越谷市内の企業が事業を拡大した際、用地を市内に確保できる
企業が事業を拡大し、市民の雇用が増える。
市内の各産業の売上がアップする。
越谷のブランド品が広まり、売上がアップする。
市民が地域に愛着を感じるようになる。(3)市民が得られるメリット
市民が自分にあった職・仕事が得られる。
収入がアップし、市民の生活水準が上がる。(4)具体的に行うべき事業
◇適正な工業用地の確保と既存工業団地の拡充の推進
・適正な工業用地の確保と既存工業団地の拡充を推進します。
・企業立地に関する優遇制度の推進や工業系への土地利用の用途変更を検討します。
◇創業前の相談からフォローアップまでの一貫した創業支援の実施
・創業前の相談からフォローアップまでの一貫した創業支援(県・市町村・経済団体・金融機関)を推進します。
◇工業デザイン系やクリエイティブの企業誘致を進め、より付加価値の高い産業形成の推進
① 工業デザイン系やクリエイティブの企業誘致を進めます。
◇県市が一体となった産業振興・地域ブランドづくりの推進
・越谷市の中核市移行を踏まえ、県と市の役割分担の明確化を進めていきます。
・「越谷ナンバー」を積極的にPRしていきます。
・地域ブランドの認知度アップを検討、推進します。
【4】学ぶ楽しみを実感できる街・地域
埼玉県、越谷市の未来を担う人材を育てるために、子ども達が学び、育つ環境を家庭、学校、地域の連携で築くと共に、世代を問わず地域の歴史、文化、自然等を活用した学びを増やし、地域への関心、理解を深めます。
(1)現状
越谷市の教育では、情報技術を活用した教育、中学校の選択制、ALTの配置による外国語教育、食育の推進が特徴とされています。
公立小中学校の耐震化率は100%です。小学校・中学校ともに光ファイバー回線によるネット接続率など100%、電子黒板がある学校数もと全国でも上位に位置しています。1学級当り児童数が30.4、1学級当り生徒数が33.6と全国と比較しても高いです。つまり、先生が担当する児童・生徒が多いということです。平成26年度全国学力・学習状況調査結果は公表していません。
生涯学習では読書や芸術文化を進めています。人口1人当たりの年間図書貸出冊数は5.19冊と県内27位ですが、県全体の5.64冊より低い数値を示しています。越谷市の生涯学習事業は、各種学級・講座開催事業は達成度が低いです。
熱心な一部の市民がいる一方、多くの市民は生涯学習活動に参加していない、市民の越谷市や地域への関心の薄さも課題です。(2)目指すべき姿
・児童・生徒は一定の学力をつける。
・児童・生徒はなぜ学ぶのかの意味を理解し、将来について考えることができる。
・市民は学びたいという意欲を持つ。
・市民はいつでもどこでもライフステージにあわせて主体的に学ぶことができる。
・市民は教養文化を通して、自分の人生を豊かにするきっかけを得る。
・市民が地域文化に触れることで地域への愛着や誇りを持つ。
・市民が自分の地域のことに関心を持つ。(3)市民が得られるメリット
・自分で考え、行動することのできる子供が育つ。
・市民は自分の街に少しの愛着を持てるようになる。
・市民同士で文化や地域資源を通してコミュニケーションが図られる。(4)具体的に行うべき事業
◇ 学校全体の経営力の向上
・学校評価システムの改善を推進します。
・教員一人ひとりが子どもと向き合う環境づくりを推進します。
・いじめ、体罰防止のため関連機関の連携強化
◇ 教員の指導力向上
・学力テストの結果を分析し、教師の指導能力の向上を図ります。
・教員の人事評価システムの充実や優秀な教員の表彰制度を推進します。
・悩みを抱える教職員に対する取組を推進し、精神科医などによる面接相談やメンタルヘルス研修を実施します。
◇ 地域づくりに貢献する生涯学習の推進
・地域振興や自己成長につながる生涯学習講座を推進します。
・シティズンシップ教育を推進します。